「ぎちょー、望みまーす、万歳!」国会の慣例、慣習を解説します!

どうもマサシです。

今回は意外と知られていない国会の慣習、慣例、伝統について解説します!

釣り初心者

国会で「ぎちょーーー、望みまーす」と語尾をやたら伸ばすのなんでですか?

マサシ

昔からの名残である慣習です!記事の中で詳しく説明しますね。また、他にも慣習やトリビアがあるので一緒に紹介します!

本記事で行うこと
  • 国会にある慣習、慣例を3つ紹介
  • 慣習、慣例が出来た経緯や理由を解説

国会の成り立ちについて簡単なまとめ

まず始めに国会の歴史について説明します。

1889年に大日本帝国憲法が発布され、下院である衆議院と上院である貴族院による帝国議会が規定されます。

そして、翌1890年から日本の立法府として帝国議会が運営が開始されました。

ちなみに上院と下院について軽く説明しますが、興味ない人は読み飛ばしてください!

下院は任期が短く、予算の先議権などの国内における重要な権限を保持する、「国民の代表」という性格をもちます。

現代日本でいうと衆議院です。

上院というのは下院と違い世界一般的には「地域の代表」「州の代表」「階級の代表」などの性格を持ちます。選出は人口に比例しないこともあります。

現在日本でいうと参議院です。

※ ちなみに現代日本の上院(参議院)は「国民の代表」という性格が強く、人口に比例しますよ

議会のルールは色々変わり時代は進みます。

1945年、第二次大戦は終戦を迎えます。

戦後日本を統治していたGHQ主導に作成された日本国憲法が公布され、立法機関にも見直しが入ります。

1946年、民選議員のみで組織される衆議院(下院)と参議院(上院)で構成される国会が規定されます。

翌1947年、衆参両院の選挙を行い、第一回国会召集が行われました。

この国会が今日まで続く国会です!

国会の慣習・慣例について解説

「国会の成り立ちについて簡単なまとめ」でも説明しましたが、国会はとても長い期間運営されてきました。

その時その時でこうしよう!としたものが伝統として引き継がれて、今でも「慣習・慣例」として残っています。

その一部を解説してきますね!

「ぎちょーー 〜 望みまーす!」

出典:国会審議中継 2015年3月13日 国会本会議

よくテレビでもみる、「ぎちょーーーー 〜省略〜 〇〇決議案を 望みまーーーーす」「(他の議員)異議なし!」について解説します。

「ぎちょーーーー」は議長に対して発言許可を求めるたもので「望みまーーーーす」は発言の最後の締めです。

声高らかに語尾を大きく伸ばすのが特徴ですが、これはマイクが無かった帝国議会時代に由来します。

騒がしく広い議場で全議員に対して聞こえるように、または静めさせるために始めたのがきっかけで、現在も慣例、慣習として続いています。

ちなみに、この発言を行うのは議事進行係という役割の人間です。

この役割自体も帝国議会からの慣習と言われています。

当選3回程度の若手議員が担当することが多いですが登竜門的な存在で、のちの総理や党内の重鎮も多く経験しています。

歴代議事進行係(ぎちょーーという人)を抜粋

  • 竹下登
  • 海部俊樹
  • 森喜朗
  • 谷垣禎一
  • 岸田文雄
  • 小渕優子
  • 加藤勝信

すごい顔ぶれですね!

衆議院を解散します!万歳!万歳!ばんざーい!

出典:国会審議中継 2021年10月14日 衆議院本会議

衆議院が解散すると必ずと言っていいほどニュースで流れる「万歳」についてです。

こちらも帝国議会時代からの伝統で慣例、慣習となっています。

初めて万歳が確認されたのは1897年12月25日の衆議院解散の際です。(速記録に「拍手起リ『萬歳』ト呼フ者アリ」と残っています)

万歳をする理由はなにか?

理由は諸説あります。

  • また国会に戻ってこれるジンクス
  • やけっぱち
  • 天皇陛下万歳に由来
  • 当時掛け声として無難だったから
  • 選挙という戦場に「万歳・突撃」する気持ち

今現在も慣例として行っていますが、国会議員各々が色んな気持ちを込めて万歳をしていることでしょう。

衆議院議長は名誉職

皆さんご存知の通り、日本は司法、立法、行政の三権分立を原則としている国です。

その3つの権力の最高権力者(三権の長)が以下となります。

  • 司法:最高裁判所長官
  • 立法:衆議院議長、参議院議長
    • 参議院議長も同じく立法の長ですが「衆議院の優越」があるため、衆議院議長の方が格としては上だと認知されています
  • 行政:内閣総理大臣

衆議院議長は格でいうと内閣総理大臣と同列になりますが、ここ最近では名誉職の色合いが非常に強いです。

2000年以降の衆議院議長

名前経歴
綿貫民輔元自民党。自民党幹事長、建設大臣などを歴任。元自民党小渕派の会長
河野洋平元自民党。自民党総裁、内閣官房長官などを歴任。元自民党河野グループ会長
横路孝弘元民主党。衆議院副議長、民主党総務会長などを歴任。元横路グループ会長
伊吹文明元自民党。文部大臣、財務大臣、自民党幹事長などを歴任。元自民党伊吹派会長
町村信孝元自民党。文部大臣、外部大臣、内閣官房長官などを歴任。元自民党町村派会長
大島理森元自民党。文部大臣、自民党副総裁などを歴任。元自民党大島派会長
細田博之元自民党。自民党幹事長、内閣官房長官などを歴任。元自民党細田派会長

上記表を見るとわかるように全員党内で自分の派閥を率いていた権力者です。

内閣総理大臣にはなれませんでしたが、党内や内閣で要職を努めてきて影響力が大きい方々です。

慣例として衆議院議長に選任された議員は場合、所属会派を離脱します。

なので権力を次に渡す時(派閥の継承時)に就任することが多いのが特徴です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

こういう慣例、慣習をしっていると選挙や政治がより面白く感じるかもしれませんね!

他にもこういう慣例、慣習あるよって人がいたら筆者に教えて下さい笑

ではまた。